宮田修

自分の命は、祖先からお預かりしている命であり、また、将来に伝えるべき命でもある。決して自分だけのものではない。日本人は、永くこう考えてきたのだ。しかし最近は、こう考えていない日本人が実は多いのではないだろうか。自分は自分、親は親、子どもは子ども――それぞれが独立した人格であると考える日本人が多数なのではないだろうか。 これは、よく考えてみれば不思議なことなのだ。先人たちが永く伝えてきたことを止めてしまう。本来こんなことはあってはならないことではないだろうか。なぜかと言えば、私たちは永く”中今“を生きるという生き方を続ける中で、そうすることが快適であるという情報が遺伝子に刻み込まれているはずである。 それに反して生きるのは、我々日本人には、辛いことかも知れないからだ。